吉田綾霊談集(34)

吉田綾霊談集

正受老人は一日暮らしをせよ、と常に人に申されたと言う事は、いか程の苦しみにても一日と思えば堪え易し。楽しみもまた一日と思えばふける事もあるまじ。

親に孝行せぬも、長いと思う故なり。

一日一日と思えば理屈はあるまじ。

一日一日とつもれば百年も千年も務め易し。

一生と思うから大そうなり。

一生とは長い事と思えども肉体を道具として居る間は限りあり。

そは魂の一休みなり、死を限りと思えば果たされ易し。

一大事と申すは、今日只今の心なり。

それをおろそかにして翌日ある事なし。

肉体はいつか滅ぶ、おろそかに思わずてきめんの今を失うべからず。

今日の一日を永遠に消滅しない、我が魂の一日として観る人こそ真に今日を知れる人なり。

真に未来を生かす人なり。真の心霊家なり。
(上巻190頁、昭和45年、Copyright © 2004 公益財団法人日本心霊科学協会

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