2024/8/25 夏期講座「霊的能力と霊性」

オンライン講座
夏期講座「霊的能力と霊性」2024/8/25
日時:2024年8月25日(第4日曜日)受付:13時より 13時半開始
場所:日本心霊科学協会2F / オンラインのハイブリッド方式
事前予約制:定員150名(会場参加人数)。

◇講師陣◇
神道における霊的能力と霊性 鎌田東二(京都大学名誉教授)
仏教における霊的能力と霊性 対本宗訓(僧医、医療法人北桜会 弘前メディカルセンター 理事長)
キリスト教、西欧から見た霊的能力と霊性 鶴岡賀雄(東京大学名誉教授)
コメンテータ 半田栄一(本協会常務理事、ホロスアカデミー主宰)
座長 瀬尾育弐(駒澤大学名誉教授、協会理事長)

8月1日(木)14時より窓口、電話(14時〜16時)にて受け付けます。
電話:03-3362-7111(10時〜16時)
オンライン受講について:8月1日(木)14時よりお申し込み開始します。当日参加できない場合でも、後日期間限定で視聴が可能です。
会場参加される方は、当日お待ちいただく時間を短縮するため、電話予約後に、極力お振込をお願いしています。
予約・問い合わせ 事務局 03(3362)7111
【お振込み先】(現金書留でも可)
公益財団法人 日本心霊科学協会
★ゆうちょ銀行
口座記号番号00150-3-37677
★他金融機関からの振込用口座番号
019(ゼロイチキュウ)店 当座 0037677
プログラム

1)13:30~13:40 はじめに
半田栄一(本協会常務理事、ホロスアカデミー主宰)
2)13:40~14:30 神道から見た霊的能力と霊性
鎌田東二(京都大学名誉教授)
3)14:40~15:30 仏教からみた霊的能力と霊性
対本宗訓(僧医、医療法人北桜会 弘前メディカルセンター 理事長)
4)15:40~16:30 キリスト教、西欧から見た霊的能力と霊性
鶴岡賀雄(東京大学名誉教授)
5)16:40~18:00 コメンテータ発言、総合質問、ディスカッション
コメンテータ:半田栄一(本協会常務理事、ホロスアカデミー主宰)
座長:瀬尾育弐(駒澤大学名誉教授、協会理事長)

オンラインお申し込みについて
お申し込みフォーム  8/1(木)14時から申込受付
当日参加できない場合でも、後日期間限定で視聴が可能です。
◎オンライン参加の方はすべて後日クラウド録画を視聴できます。
オンライン受講は、クラウド録画込みの受講料になっております。そのため、オンライン参加できない場合でもクラウド視聴のみ(後日クラウド録画を期間限定で配信)のお申し込みが可能です。
◎オンライン参加受講の方へ
オンライン参加は、クラウド録画視聴料込です。講座開催当日にオンライン受講に参加できなくてもOKです。後日配信するクラウド録画(期間限定で配信)で受講できます。
◉会場参加(東京・本部会館)の方へ
希望であれば後日、受講した講座のクラウド録画をご自宅で視聴できます。当日会場参加した方に限ります。
動画視聴(500円)をご希望の方は、会場受講料(+動画視聴・500円)を、当日会場でお支払いください。
事務局に電話でお申し込みの上、申し込みフォームで(視聴には、メールアドレスが必要)、「会員か一般」かの選択をしてお申し込みください。自動返信メールでお振込での事前支払いのご案内をお送りしていますが、お振込みはぜず、当日会場でお支払いください
テーマ「霊的能力と霊性」について 半田 栄一 協会常務理事 ホロス文化研究所  ホロスアカデミー主宰
「霊的能力が強いこと」と「霊性、霊格が高い」ことは、しばしば混同されて語られたりし、また、「霊的能力と霊性、霊格は異なる」ことを明確に示してきた本協会の立場が存在する。このことは、『吉田正一論文集』における「霊能養成の分析的考察」に明確に示されており、『吉田綾霊談集』は一貫してこの立場が示されている。
霊的能力が強いとは、通常見えないものが見えたり、聞こえないものが聞こえたり、予知能力、物質に変化をもたらしたり、物を移動させることができたり、霊的医療における治療能力などがある。
 この霊的能力を強めることが、そのまま高い霊的能力を有することと捉えることが少なくない。ところが、生まれつき強い霊的能力を有していても、それによって憑霊体質となっていて、低い霊的存在に引きずられて病的状態になっていたり、不幸な状態に陥っていたりする場合が多い。
 一方、生まれつき霊的能力が備わっていて、その霊的能力が高いものに導かれている場合がある。この場合は、その人の魂自体が高い状態にあるといえる。しかし、こういう人は数少ない宗教の宗祖、たとえばキリスト、釈迦、マホメットをはじめとして、日本の仏教の祖師などや、霊的指導者である。
 しかし、霊的能力を先天的に身につけていても、低いものによって支配されて、憑依体質となって自ら病的になり苦しんでいたり、あるいは気づかぬうちに他に悪影響をおよぼす場合が多々ある。教祖的な霊的能力者もこういうケースが少なくないといわれる。
 高い霊性、霊格を持つ者か、低い霊的存在に支配されているのかを見分けて、危険を避けるためには、「さにわ」が必要となる。この機能が働かず、強い霊的能力によって多くの人々を引きつけることによって、邪教、カルト教団ができあがっていったことは、近年においても社会問題となった事件においてはっきり知られるところである。これらの目に見えぬ力に同調すること、また気がつかないうちに個人であっても、集団であっても引き込まれてしまうことこそ恐ろしいことはないのである。「祓い」や「除霊」も、このことに関わる中心的問題であり、単に技術的な問題ではない。
霊的能力を強めるだけで、その霊的能力が何に導かれているのか、高い者か、低い者かわかわからなければ、やがて「破滅」に導かれてしまうのである。
 本協会で「霊格」ということが、しばしば使われてきたが、この語は、「人格」に相応する語であろう。高潔で愛に満ちた、高い人格にはおのずと高い霊格が、物質欲、権力欲にとらわれた低い人格には低い霊格が備わる。
 霊的能力だけを得ようとして、滝行をしたり、山岳修行などをしたりするとその「欲」に応じた「霊的存在」がついて、あやつるようになり自分も周囲も、自他共に誤った方向に導かれてしまう。
 霊的能力を強めようとする以前に、人格をみがき、高める修養こそが求められるのではなかろうか。高い心の状態(心境)、高い人格において初めて、おのずと高い霊格・霊性が備わるといえよう。
 正邪を問わず霊的能力の強化を求める、危険性に留意しなくてはいけない。真に「霊性」を磨き、高めることとは、いかなることか常に冷徹に思いをいたされるべきであろう。精神統一、座禅、密教的行法、ヨーガ、イスラム教のスーフィーやユダヤ教のカバラ、キリスト教神秘家などにおける諸瞑想法いずれも、深めれば「霊的能力」が出てくる。これが、低く誤った方向に行かず、正しい「知恵」に導かれてこそ真の「霊性」に覚醒することといえよう。この点では、霊性は「道徳性」との関連においても論じられなくてはならない。「心のあり方」によって、その霊性の様態が定まってくる。その点からすれば、高い霊性は、地上的道徳の基盤(基礎づけるもの)でもあるのである。
 今回の夏期講座では、各講師の専門の立場から、この「霊的能力」と「霊性」の相互の関係について論じていただき、正しい霊的能力の開発と高い霊性について、あらためて考えることを目的とする。
鎌田東二(かまた とうじ) 京都大学名誉教授

京都大学名誉教授 哲学者、宗教学者。徳島県阿南市生まれ。國學院大學文学部哲学科卒業。同大学大学院博士課程単位取得中途退学。岡山大学大学院医歯学総合研究科社会環境生命科学専攻博士課程単位中途退学。宗教哲学・民俗学・比較文明学・ケア学専攻。博士(文学・筑波大学)。京都大学名誉教授。石笛・横笛・法螺貝奏者。神道ソングライター。著作に『神界のフィールドワーク』『翁童論』四部作、『宗教と霊性』『呪殺・魔境論』『神と仏の出逢う国』『現代神道論』『世直しの思想』『世阿弥』『言霊の思想』『南方熊楠と宮沢賢治』『ケアの時代「負の感情」とのつき合い方』、『身心変容と医療/表現』、CD『絶体絶命』(2022年)、最新刊『悲嘆とケアの神話論―須佐之男・大国主』(春秋社、2003年5月)、『いのちの帰趨』(港の人、2023年7月)、『予言と言霊 出口王仁三郎と田中智学: 大正十年の言語革命と世直し運動 』(平凡社、2024年4月)。

鶴岡賀雄(つるおか よしお) 東京大学名誉教授
【講師より一言】新約聖書を見ると、イエスはさまざまな奇蹟を行っている。水の上を歩いたり、多くの病人を癒やしたり、死者を甦らせたりもしている。これらが事実だったかどうかは、現代は否定的に見る人が多いが、イエスにそのような能力があったことは長い間信じられてきた。イエス自身が、十字架上で死んで葬られ、三日目に復活したと、多くの教会で教義として信じられている。
 では、イエスが特別な霊的能力をもっていたこと、少なくともそう信じられてきたことと、イエスがすべての人の救い主である、ということとは、どう関係するのだろうか。この問いは、キリスト教という宗教の真髄にかかわっている。
 私の講演では、イエス自身についてではなく、中世から近代にかけて、キリスト教(とくにカトリック)世界のなかで、「聖人」とされる人々がじっさいにもっていたとされるさまざまな霊的能力について、またそれがどのように評価されてきたかを、まずは紹介してみたい。それを通じて、キリスト教においては、霊的能力や奇蹟は、魂の救い・人間の究極のしあわせにとってどのような意味で重要か、また重要でないか、私の考えを話してみたい。そうすることで、キリスト教ばかりでなく、およそ宗教にとってもっとも大切なことは何なのかについて考える題材を提供したい。
鶴岡賀雄 プロフィール
 東京大学で宗教学を学び、宗教哲学や神秘思想について研究してきた。専門は、中世から近代にかけてのスペインやフランスのキリスト教系神秘思想だが、特定の教会・宗教団体には所属することなく現在に到っている。
 人間にとっての宗教の存在意義を明らかにすることをめざす宗教学者として、キリスト教だけでなく東洋、とくに日本の宗教思想にもずっと関心を持ち続けてきた。大学教員を定年退職してからは、遅まきながら、キリスト教以外の宗教についてもっと深く学びたいと思っている。さらに、大学での学問研究のしきたりにも、教団や教義をもつ宗教という枠組みにもこだわらずに、「神秘」について自分なりに探究していきたいというのが現在の思いである。
対本宗訓(つしもとそうくん) 僧医 医療法人北桜会弘前メディカルセンター理事長・院長

【講師より一言】禅は〈いま・ここ・自己〉を生きることです。この禅の立場から、霊的能力と霊性について、実践的側面を中心にお話させていただきます。過去に『心霊研究』誌掲載の拙稿を併せてご一読いただければ幸いです。
【対本宗訓 プロフィール】1954年 愛媛県に生まれる。1979年 京都大学文学部卒業。1993~2000年 臨済宗佛通寺派管長在職。2006年 帝京大学医学部卒業。現在、医療法人北桜会弘前メディカルセンター理事長・院長。

プロフィール コメンテータ  半田 栄一(はんだ えいいち) 協会常務理事 ホロス文化研究所  ホロスアカデミー主宰 

1952年神奈川県生。中央大学大学院博士後期課程単位取得退学。大学、短大において講師を務める。現在、ホロス文化研究所およびホロスアカデミー主宰。専門分野:日本倫理思想史(倫理学)、比較思想、生命倫理、医学哲学。主要論文:「道元における信」、「環境の人間学的考察―生命観・自然観の比較を通してー」、「世阿弥における幽玄美とスピリチュアリティ」その他。現在、本協会常務理事。

プロフィール 座長 瀬尾 育弐(せお やすつぐ)協会理事長・駒沢大学名誉教授

大学一年の時に本協会に入会し、心霊科学実験や編集部にかかわる。慶応大学工学部修士課程修了後、企業に入社。超音波・MRIなどの医療機器の研究開発に従事した。2005年 「腹部などの遅い血流を二次元でリアルタイムに表示する超音波血流イメージング装置の開発」により紫綬褒章を受章。2007年駒澤大学医療健康科学部教授となる。2017年駒澤大学名誉教授となり現在に至る。文部科学大臣発明賞(2003年)、文部科学大臣賞(2004年)など受賞多数。

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