徳と言うものは、その人の度量に従って進歩するもので、度量が大でなければ、徳も進歩しないものであります。
度量はまた、その人の見識の高くなるに随って長じ行くものなのです。
それ故に、その徳を厚くしようとするならば、まず、その度量を弘くしなければなりません。度量を弘くすれば、徳も自ら厚くなるのです。
また、その度量を弘くしようとするならば、まず第一にその見識を大にしなければなりません。見識を大にすれば、度量も自然と弘くなるのです。
斯くの如く、徳と識と量とは、密接な関係があるものなので、吾人はすべからく、学問修行して、見識を高め、度量を寛大にして、徳を進めなければならないのです。
(上巻312~313頁、昭和48年、Copyright © 2004 公益財団法人日本心霊科学協会)