吉田綾霊談集(42)

吉田綾霊談集

心が事物を感じて動揺する時は、疑心暗鬼を生ずる-の喩えの如く、見る物聞くもの、皆我を脅かす如く、壁に掛けてある弓の影も、誤って蛇に見えるし、草叢くさむらの中に横たわっている石も、伏している虎とも見えます。

これ何故かと言うに、皆自己の心の迷い、動きによって、世の中のもの凡て、我を害せんとする殺気を含んでいると、誤り思うのであります。

一度、心が落ち着いて、平静に帰すれば、彼の凶悪暴戻ぼうれい極まりなきと思った虎も心よき枕席ちんせきとなり、又、あの喧しい蛙の鳴き声もうるさくなく、面白い音楽として、聞きほれる事にもなります。

この事は、我が心の平静な為で、目に触れ耳に接する凡ての事物は、悉く是皆、神の妙技を現わすものに外なりません。
要するに、天地間の万物は、皆是我が心の反影と、見る事が出来ます。
(上巻268~269頁、昭和47年、Copyright © 2004 公益財団法人日本心霊科学協会)

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