吉田綾霊談集(23)

吉田綾霊談集

物に徹すると芭蕉の持つさびとしおりに徹すると思います。この境地に徹する人は、華麗を避けてその本体を取る様になります。

本体は沈静して静けさの底にあるので、自ら素朴になり枯淡になってまいります。

それは深くわけ行くと幽玄にして言い難く、しかもいよいよ奥深くなり行くものでありまして、これをさびと申します。しおりとは静かな落ち着いた心境でありまして、即ち高級霊と直結して居る時にのみ起こる境地で、これをしおりの境地と申します。


このしおりの境地に住む時は、心和やかにして生活が自然であり、一切を受け入れ、一切に生き、見る物聞く物を美化せんとする境地となるのでありまして、さびとしおりは表裏一体の物であります。
(上巻40頁、昭和41年、Copyright c 2004 公益財団法人日本心霊科学協会)

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